わんこ母ちゃんです!こんにちは。
我が家の愛犬パピヨン君、最近、よくボリボリと耳を掻くなぁとは思っていました。
まさか、耳を激しく掻いたことで耳血腫という病気になろうとは・・・!
耳血腫とは、わんこの耳介(人間で言えば耳たぶ)の内部で何らかの原因で内出血が起き、耳が膨らんでしまう病気です。
「内出血して血液が溜まったのなら、抜けば治るのでは?」と安易に考えてましたが、とんでもない!
耳血腫はなかなか厄介な病気でした。
治療をする前に、事前知識があったら良かったのにと思うこともあり、我が家の飼い犬の字事例を交えながら、耳血腫についてお話します。
Contents
ウチの愛犬が耳血腫にかかった理由
◎きっかけはアレルギーによる痒み
これまでアレルギーなど無縁の愛犬でしたが、9才になった頃から、体を痒がるようになりました。首元や、耳、お腹など、ボリボリと掻くんです。
あまりに痒そうだったので、病院へ相談に行きました。
しかし病院では「アレルギーでしょうね。これまで何でもなかったものに、反応するようになることはよくあるんですよ」と、症状緩和のためにステロイドと抗生物質を注射して、飲み薬を頂きました。
薬が効いているあいだは良いのですが、しばらくするとまた痒がるようになります。再度、病院へ行っても「アレルギーによる痒みですね」で、ステロイドと抗生物質を射たれ、飲み薬を処方されるだけ。
根本的な解決方法はないものかと頭を抱えていた今年(2018年)の春。
また痒みが強くなったのか、バリバリ激しく掻く愛犬。「いくらなんでも掻きすぎでしょ」と心配していたある朝、愛犬の右耳の内側に、蚊に刺されたようなプクッとした5ミリくらいの赤い腫れがあることに気づきました。
「蚊に刺された?」。最初はそう思いました。
「すぐに引くだろう」と思っていた小さな腫れは、その日の夕方にはグッと大きくなり、市販のお弁当に入ってる小梅サイズくらいになっています。
「すごく腫れてるけど毒虫に刺された?」と思いましたが虫刺されとは違い、腫れが球体に近い形をしています。
中に液体が詰まっているかのようで、針でつついたらパンッ!と破裂しそうです。
家族で話して「これは内出血だろう」と結論づけましたが「今日はもう病院が終わってるから明朝だね」ということに。
そして翌朝「おはよう」とパピヨン君を見ると、耳はさらに腫れあがり、まるでインド料理のサモサのように膨らんでいました(下の写真がサモサです)。
「これはマズい!」
内出血で膨らんだ耳は、その重みで垂れ下がっています。パピヨン君は痛みや痒みはさほど感じていない様子でしたが、重くてうっとうしいという顔をしていました。
もう、朝イチで動物病院へ走りました。
先生は一目見るなり「あぁ~、耳血腫ですね」とおっしゃいました。
耳血腫とはどんな病気!?
そもそも、耳血腫とはどんな病気かというと、外部からの刺激などにより、わんこの耳介の血管が破れ内出血を起こし、耳介に血液や体液が貯まって耳が膨れてしまう病気です。
わんこの耳介は、皮ふと軟骨で形成されていますが、耳血腫を発症すると、皮ふと軟骨のあいだに血液や体液がたまっていきます。
耳介の内部には無数の血管が通っていますが、皮ふと軟骨はゆるく着いているため、何らかの理由で血管が切れて出血してしまうと、皮ふと軟骨の間にどんどん血液や体液が貯まってしまうのです。
その結果、耳全体が大きく膨れあがります。
耳血腫は、耳介の大きい垂れ耳のわんこに発生しやすいといわれていますが、立ち耳でもみられるそうです。
事実、立ち耳のパピヨン君でも発症しました。原因は、痒みからバリバリと耳を掻いたことで耳介の血管が切れてしまったのでしょう。
耳血腫の原因は
犬は、耳にダニなどの寄生虫がついたり、虫に刺されたり、腫れ物ができたりするなど、耳に不快感を感じると、
- 激しく掻く
- 頭を激しく振る
- 頭や耳をこすりつける
など、耳介へ強い刺激を与えてしまうことがありますが、このような刺激が耳血腫の原因になります。耳介内部の血管が切れ、内出血を起こしてしまうのです。
自分で刺激を与えなくても、他の犬に噛まれたり、高いところから落ちたり、軟骨に物理的な刺激が加わると発症することもあります。
最近では、自己免疫疾患により、耳介内部にただれが起きることもあるといわれています。
◎自己免疫疾患とは!?
免疫とは本来、自分の体内に入り込んだ異物に対して反応し、体外へ排除しようと働きかけるものです。免疫機能が正しく働いていれば、たとえ菌やウイルスに感染したとしても、体外へと除去されるので健康を損なわずにすみます。
自己免疫疾患とは、自分自身の一部を異物だとカン違いして、自分で自分を痛めつけてしまう疾患です。
たとえば、アナフィラキシーも自己免疫疾患の一例です。本来に反応しなくても良いものに過剰に反応し、自分の体を痛めつけてしまうのです。
耳血腫の治療方法
治療法としては、耳をバンバンに膨らませている中身の血液や体液を取り除くために、
- 注射器で中の血液や体液を抜く
- 耳介を切開する
といった処置を施します。
この他にも、
- 耳にパイプを通す
- インターフェロンによる治療
といった治療方法も行われています。
パピヨン君の場合は、先生のおすすめにより“耳介にパイプを通す”という処置をすることになりました。
要はパイプを使った治療方法とは、簡単には止まらない内出血による血液や体液を、パイプを通して外に排出し耳が膨らまないようにする方法です。
説明を伺ったあと、パピヨン君には外科処置により、耳に小さなパイプが通されました。耳介の中央あたりにピアスを通した感じです。とりあかず2週間は様子見してくださいとのことでした。
もうひとつのインターフェロンを使う治療法とは、5~7日おきに耳に5-10MUのインターフェロンを耳に注入する方法です。
インターフェロンは、体内のウイルスの増殖を抑えたり、からだの免疫システムに働きかけて正常に促す方法ですが、インターフェロンの注入時は傷みを伴うので嫌がるわんこもいるそうです。
副作用が少なめというメリットがありますが、デメリットは薬の価格が高いこと。
動物病院の先生は「効果が薄いこともあります」といって、パピヨン君の治療にはパイプを入れる方法になりましたが、実は私はこの時点ではインターフェロンによる治療方法があることを知らなかったのです。先生は話してくれませんでしたしね。
もし知っていたら、インターフェロンによる治療方法を選んでいたかもしれません。耳を切る必要がなければ、耳を傷める必要もなかったので。
耳血腫を再発させない治療方法は?
耳介で内出血を起こし、血液や体液が溜まったものを処置しても出血が治まらなければ、耳血腫が再発することもあります。
たとえ再発したとしても、溜まったものを何度か排出しているうちに出血は治まっていきますが、完治までは時間がかかってしまうケースもあるようです。
治療の効果については個体差がありますし、完治までは何度か通院して治療をすると思っておいたほうが良いかもしれません。
耳血腫、なかなか手強い病気です。
お世話になった動物病院の先生によれば、再発しにくい現段階の治療方法としては、耳介にパイプを通すやり方が効果が高く、再発もしにくいそうです。
出血が治まるまでパイプから体外に排出し続けるのですから、耳に血液が溜まらないのは当然といえば当然ですね!
耳介にパイプを通したその後
先生におすすめされるまま、耳介にパイプを通した我が家のパピヨン君。
パイプを通された耳からは、血液なのか体液なのか、赤い液体がジワジワと滲み出てくるので、耳介は常にベタベタしていました。
耳のパイプが気になるのか、ベタベタが気になるのか、パピヨン君が耳を気にして掻こうとするのでエリザベスカラーを装着。そのまま2週間、様子見しました。
2週間待ってから動物病院で診てもらうと「良くなってきていますね」と先生。
もうパイプを外してもらえるかと思いきや「あとまた2週間はこのままガマンしてください」とのことでガッカリでした。
なので、エリカラをつけたまま、また2週間は様子見する予定でしたが、1週間もしないうちにパピヨン君は自分で耳のパイプを外してしまいました(汗)
どうやって外したのか、気づいたらパイプがなかったんです。
「パイプが外れてしまいました!」と病院へ連れていきましたが「もう、いいかもしれませんね」と先生。「ただ様子は見ていてください」とのこと。
その後、パイプを外してしまったので、耳介にうっすらと液体が溜まってきてドキッとしましたが、結局は自然に引きました。
パイプが耳介から外れたことで、逆にパイプが効率よく血液と体液を排出していたことがよくわかりました。
パイプのおかげで耳血腫は完治です!
ただ、、残念なことに、パピヨン君の耳はパイプによる処置のため、軟骨が変形してしまいました。片耳は垂れたままになったんです。
耳血腫を治療すると、耳が変形してしまうのは仕方がないようですね。
ただ・・・インターフェロンによる治療を選んでいたら、耳が変形させずに済んだのではないか?と思わなくもないです。
まとめ
◎ウチの愛犬が耳血腫にかかった理由
アレルギーから耳をバリバリと掻いて耳介を傷つけてしまったことが原因です。
◎耳血腫とはどんな病気!?
耳血腫とは、わんこの耳介が、外部からの刺激や病気などにより内出血を起こし、耳介の内部に血や体液が貯まって膨れてしまう状態をいいます。
耳介の内部には無数の血管が通っていますが、皮ふと軟骨はゆるく着いているため、何らかの理由で血管が切れて出血してしまうと、皮ふと軟骨の間にどんどん血液や体液が貯まってしまい、その結果、耳全体が大きく膨れあがります。
◎耳血腫の原因は
耳血腫になる原因は、
- 後ろ足で激しく掻く。
- 頭を激しく振る
- 頭や耳擦りつける。
など、耳介へ強い刺激を与えてしまうことがありますが、このような刺激が耳血腫の原因になります。自分で刺激を与えなくても、他の犬に噛まれたり、高いところから落ちたり、軟骨に物理的な刺激が加わると発症することもあります。
◎耳血腫の治療方法
治療法としては、耳をバンバンに膨らませている中身の血液や体液を取り除くために、
- 注射器で中の血液や体液を抜く
- 切開する
といった処置が施されますが、この他にも、
- 耳にパイプを通す
- インターフェロンによる治療
といった治療方法もあります。
血液や体液をパイプを通して排出する治療方法は、再発が少ないようです。但し、軟骨が変形しやすいので、耳の形が変わってしまうこともあります。
いずれにしても耳血腫は、早期発見・早期治療がおすすめです。
わんこにとっても、飼い主にとっても負担が少ない方法になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!